Permanent license sales of IBM i OS to end, machine group P05 / P10 machines are targeted ~ From now on, on-premises only subscription – i magazine | i magazine アイマガジン

​It also announced a statement of direction, stating, “We plan to offer subscriptions for the IBM i operating system and IBM i Licensed Program Products (LPPs) running on all models from P05 to P30.”
IBM has continued to expand its IBM i OS subscriptions since the May 3, 2022 announcement. Read More 

Code for IBM i The whole picture: Part 3 Basic usage | From installation to confirmation of compilation execution – eye magazine | i Magazine アイマガジン

​Now let’s look at the basic usage of Code for IBM i. I published it in the winter 2022 issue of i Magazine, but I will explain the basics again. If possible, please read the feature “Introduction to Visual Studio Code for IBM i users” in advance (published on the i Magazine site).
■ Execution environment
First, the IBM i environment used to create this article is as follows. Depending on the environment, it may not be the same as the article content, so please keep that in mind. In addition, it goes without saying that the necessary licenses and PTFs must be installed and each command executed by a user with appropriate authority based on company regulations.
・Version: IBM i 7.3・Cumulative PTF: C9116730・Technology Refresh: 6・SF99703 (DB2 for IBM i): 32・5770WDS-SI62605・QCCSID: 5035
■ Prerequisites (IBM i)
About sshd
Code for IBM i uses ssh to connect to IBM i, so sshd must be started on the IBM i side.
 Command: STRTCPSVR SERVER(*SSHD)
sshdを開始すると、QUSRWRKサブシステム内にジョブ QP0ZSPWP が開始される。sshdが開始されているかどうかは、このジョブが存在しているかどうかで判断してほしい。
次に、接続に必要なユーザープロファイルを用意する。sshdのデフォルトでは、ユーザー名は8文字以内でないと接続が拒否される。ユーザー名が9文字あるいは10文字であっても接続させたい(既存のユーザーが8文字以上)場合は、
 コマンド:ADDENVVAR ENVVAR(PASE_USRGRP_LIMITED) VALUE(‘N’) LEVEL(*SYS)
を実行するか、もしくは/QOpenSys/QIBM/UserData/SC1/OpenSSH/etc/sshd_config内に、
 ibmpaseforienv PASE_USRGRP_LIMITED=N
を追加し、sshdを再起動する必要がある。
IBM i 7.4以降は、デフォルトで8文字以上のユーザー名がサポートされるので、上記の設定は必要ない。
なおssh接続は、パスワード認証と公開鍵認証があるが、今回はパスワード認証を使用する。
使用するユーザー情報
今回誌面で使用するユーザーとライブラリは以下の通り。
 ユーザープロファイル:IMAG23WINT    (USRCLS=*SECOFR) ライブラリ:IMAG2023
開発PCのソースコードをプッシュする先として、ユーザー専用のディレクトリも作成しておく。ディレクトリは /home/<ユーザー名> を作成し、ユーザープロファイルの HOMEDIR にそのディレクトリのパス、あるいは *USRPRFを指定する。
以下コマンドは、IMAG23WINTユーザーでサインオンして実行している。
 mkdir ‘/home/IMAG23WINT’ CHGPRF HOMEDIR(*USRPRF)
■ 前提条件(開発 PC)
事前にVSCodeをインストールしておく(https://code.visualstudio.com/download)。インストール後、VSCodeを起動すると、メニューなどがすべて英語表記になるが、日本語の言語パックをインストールするよう促すメッセージが右下に表示されるので、ここでインストールしておく(あとから拡張機能でインストールすることも可能)。
次に、Code for IBM iをインストールしよう。VSCodeのアクティビティバーで拡張機能アイコンをクリックし、「Marketplaceで拡張機能を検索する」と表示された入力域にIBMと入力すると、Code for IBM iが表示されるので、インストールをクリックする(図表12)。
図表12 Code for IBM iのインストール
Code for IBM iをインストールすると、Code for IBM i WalkthroughsとIBM i Language拡張機能も一緒にインストールされる。
今回使用した拡張機能のリリースは、それぞれ以下のとおり。
・Code for IBM i:v1.6.8・Code for IBM i Walkthroughs:v0.2.4・IBM i Languages:v0.6.8
■ 接続設定
続いて接続設定を作成しよう。Code for IBM iをインストールするとアクティビティバーにIBM iアイコンが表示されるので、それをクリックする(図表13。このアイコンは今後頻繁に使用する)。
図表13 アイコン
続けて、サイドバーに表示される「Connect to an IBM i」をクリックして表示される設定画面で以下を入力する(図表14)。
図表14 接続設定
◎項目設定:内容
・Connection Name:任意の名前・Host or IP Address:接続するIBM iのホスト名もしくは IP アドレス・Port (SSH):IBM iのsshdのポート番号(省略値:22)・Username :IBM iに接続する際に使用するユーザープロファイル・Password:パスワード認証の場合に設定・Private Key:公開が未認証の場合にプライベート・キーを指定
入力が終わったら「Save & Exit」をクリックして接続設定情報を保存する。サイドバーに作成された接続設定が表示されるので、それをクリックするとIBM iに接続される。設定でSave Passwordをチェックしていないと、この時点でパスワードの入力を求められるので入力する。
接続が完了すると、サイドバーに以下の4つのセクションが表示される。
1. HELP AND SUPPORT2. USER LIBRARY LIST3. OBJECT BROWSER4. IFS BROWSER
 ステータスバーにもCode for IBM i関連の項目が表示される(図表15)。
図表15 ステータスバーに表示されたCode for IBM iの機能ボタン
◎表示項目:説明
・Settings:接続の追加の設定画面を表示・Actions:リモートのソースやオブジェクトに対するアクションの設定・Output:コンパイルリストの表示など・Terminals:PASE 環境への接続
これで基本的にCode for IBM iを利用できるが、さらに事前確認および設定すべきものがあるので、それを簡単に解説しよう。
Settings内
ステータスバーのSettingsをクリックして表示される項目で注目すべきは、以下の2つ。
・Temporary library・Clear temporary data automatically
まずTemporary libraryは、Code for IBM iおよび関連する拡張機能が一時的に利用するIBM i上のライブラリである。省略値はILEDITORで、同名のライブラリがないことを前提にしている。それぞれの環境ですでに同名のライブラリがある場合は、専用のライブラリ名を指定することをおすすめする。
指定したライブラリが存在しない場合は、接続時に自動的に作成される。
省略値のままだと、複数のユーザーがCode for IBM iを利用する際にこのライブラリを共有することになるので、ユーザーごとに一時ライブラリを持ちたい場合は固有の名前を指定する必要がある。
一時ライブラリとあるが、あくまでもCode for IBM iが一時的に利用するという意味であり、QTEMPライブラリのことではないので注意してほしい。
次にClear temporary data automaticallyだが、Temporary libraryに一時的に作成されるファイル・オブジェクトを自動的に削除するかどうかを指定する。削除の対象になるのは O_で始まるファイルで、毎回接続する際に削除される。
拡張機能の設定
アクティブバーの一番下の管理アイコン – 設定と順にクリックすると、VSCode全体の設定を管理する画面が表示される。さらに左側の拡張機能を展開し、Code for IBM iをクリックする。ここで注目すべき設定値は以下の2つ。
・Log Compile Output・Show Connection Buttons
Log Compile Outputが有効だと、VSCodeからコンパイル・アクションを実行したときにコンパイルリストを参照できるようになる。コンパイル後にエラーが発生した場合は、右下に出るポップアップ画面内でOutputをクリックすると表示される。また、ステータスバーのOutputをクリックすると、最新のリストをいつでも参照できる。省略値は有効(チェック)されているので、この値はそのままにしておく。
Code for IBM iで接続したコネクションを切断するには、コマンドパレットを表示(表示-コマンドパレットをクリック)して、IBM i:Disconnect from current connection. を選択する必要があるが、Show Connection Buttonsを有効にすると、切断および再接続ボタンがステータスバーに表示されるようになる。デフォルトは無効なので有効にしておくとよい(図表16)。
①:切断②:再接続
図表16 切断/再接続アイコン
■ ソースコードの表示とコンパイル
では、Code for IBM iを使用して、IBM i 上のソースコードの修正を行ってみる。まず、接続後に表示される OBJECT BROWSER でソースファイルを表示するフィルターを作成する。今回使用するライブラリ IMAG2023 に存在するすべてのソースファイルを選択するよう設定する。
Create new filter をクリックし、表示される設定項目を以下のように指定している。
◎項目:設定値
・Filter name:IMAG2023-SRC・Library:IMAG2023・Object:*(変更しない)・Object type filter:*SRCPF(変更しない)・Member:*(変更しない)・Member type:*(変更しない)
設定し終わったらSave settingsをクリックして保存する。すると、OBJECT BROWSERにIMAG2023-SRCというフィルターが作成される。
それではフィルターを展開して、すでに存在しているメンバー(ここでは try01r.rpgle)をクリックして表示してみる(図表17)。
図表17 ソースメンバーの一覧表示
表示されるのは定位置形式のRPG Ⅳプログラムで、皆さんにもおなじみの表示装置ファイルを使用した対話型プログラムである。
ではこのソースコードをコンパイルしてみる。ソースコードにカーソルがある状態でCtrl+Eを押すと、メンバーのタイプに応じて実行するコンパイラの候補が上部に表示される。今回は Create Bound RPG Program (CRTBNDRPG) を選択した。
実行結果は右下に表示される。アクションが失敗したとのメッセージが表示されるが、今回対象のソースコードはあえてコンパイル・エラーが発生するように記述した(図表18)。
図表18 コンパイル結果の表示
コンパイルリストはShow Outputボタンをクリックすることで表示される(図表19)。
図表19 コンパイル・リストの表示
通常はコンパイルリストの内容を表示するためにWRKSPLFやWRKJOBコマンドを実行し、エラー箇所を特定したらコンパイルリストの表示を終了して SEUを再度実行してコードを修正するという手順が必要だった。Code for IBM iでは上部にソースコードが表示された状態でコンパイルリストを参照できるので、エラー箇所の特定と修正はかなり楽になるはずだ。
コンパイルリストからエラー箇所を特定してソースコードの該当箇所を探す以外に、リスト画面の左上の問題をクリックする方法もある。エラー重大度ごとにエラー一覧が表示され、さらにそのエラーをクリックするとソースの該当部分にカーソルが移動するので、さらに便利だ(図表20)。
図表20 エラー一覧の表示
今回は「RNF2120 外部記述が見つからない」というエラーなので、コンパイル時のライブラリ・リストの設定に問題があるということがわかる。TECSMPとTRY01RDは IMAG2023ライブラリにあるので、USER LIBRARY LISTで現行ライブラリにIMAG 2023を設定しよう(図表21)。
図表23 正しいレコード様式名
この例では、現行ライブラリがQGPLになっているので右横のアイコンをクリックしてIMAG2023を現行ライブラリに設定する。その後再度コンパイル・アクションを実行する。
RNF2120のエラーは解消したが、RNF7030エラー(FMT20 という名称が宣言されていない)により、再度コンパイル・エラーが発生している(図表22)。
図表22 コンパイル・エラー
RNF7030の行をクリックすると、FMT20を使用している行にカーソルが移動する。移動先がEXFMTの行だとすると、使用している表示装置ファイルTRY01RDにFMT20が定義されていないというエラーである。先ほど作成したフィルター内のQDDSSRCにあるtry010rd.dspfを表示して確認してみる(図表23)。
図表23 正しいレコード様式名
するとFMT20ではなくFMT02であることがわかったので、TRY01Rのソースを修正して保存後、再度コンパイルを実行する。
今度はコンパイルが成功した旨のメッセージが右下に表示された(図表24)。
図表24 コンパイル結果(成功)の表示
RPG Ⅲプログラムのコンパイル
図表25は、RPG Ⅲのメンバーも開いた結果だ。
図表25 RPG Ⅲのソースメンバー
先ほどのプログラムとまったく同じロジックのプログラムで、FMT02 も正しく入力されているのでこのままコンパイルできるはずだなので、そのまま Ctrl+E を押す。
すると、候補に表示されるコンパイル・コマンドにCRTRPGPGMが見つからない(図表26)。
図表26 CRTRPGPGMが表示されていない
これは、Code for IBM iがRPG Ⅲのプログラムのコンパイル・コマンドを事前登録していないからだ。もちろん、必要なコマンドは新しいアクションとして登録することができるので、それを実施する。
ステータスバーのActionsをクリックすると、ファイルの拡張子によって選ばれる事前登録されたコマンドの一覧が表示される。画面下部にNew Actionボタンがあるのでクリックすると、図表27の画面が表示される。
図表27 新規アクションの追加
◎項目:設定値
・Action Name:Ctrl+E を押したときに候補に表示される際の名称・Command to run:実行されるコマンド(表示される変数を使用して記述する)・Extensions:RPG のみ設定・Types:Member(メンバーに対するアクションで有効にする)・Environment:OPM が選択できないので ILE のまま
 指定可能な置換変数は以下の通り。
◎置換変数:説明
・&OPENLIB:該当のソース・ファイル(メンバー)のライブラリ名・&OPENSPF:ソース・メンバーが登録されているソース・ファイル名・&OPENMBR:選択しているソース・メンバー名・&EXT:選択しているソース・メンバーの拡張子・&CURLIB:USER LIBRARY LIST にセットしている現行ライブラリ
今回は Action Name に「Create RPG III Program (CRTRPGPGM)」、Command to run に以下のコマンドを指定して保管する。
 CRTRPGPGM PGM(&OPENLIB/&OPENMBR) SRCFILE(&OPENLIB/&OPENSPF) OPTION(*SRCDBG)
再度ソースコードを選択し、Ctrl+Eを押すと追加したアクションが表示されるはずなので、それをクリックする(図表28)。
図表28 追加されたアクションの表示
コンパイルが実行され、プログラムが作成された旨のメッセージが表示された(図表29)。
図表29 コンパイル結果の表示
コンパイルリストをステータスバーのOutputをクリックして表示し、先頭部分に移動するとCRTRPGPGMコマンドが実行されていることが確認できる(図表30)。
図表30 コンパイル・コマンド実行の確認
簡単なサンプルで解説したが、Code for IBM iを利用すれば、IBM i上のソースメンバーを直接編集し、コンパイルできることをおわかりいただけたと思う。しかもRPG ⅣもRPG Ⅲもシンタックス・ハイライトでソースコードは見やすく表示され、PCの解像度に依存するものの、SEUよりも表示できる行数は圧倒的に多い。SEUが提供する行単位のプロンプト機能はないという点を除けば、Code for IBM iがSEU/PDMの変わりになり得ることはおわかりいただけたと思う。(Part 4に続く) Read More 

Participation in Common Europe kicks off full-fledged global first strategy|Kohei Shimono, Takeshi Suda Omniscience Co., Ltd. ~The new leaders of IBM i❾ アイマガジン

​Kohei Shimono
Director and COO OmniScience Co., Ltd.
Takeshi Suda
Director and CTO, OmniScience Co., Ltd.

OmniScience, which is attracting attention for its latest tools and solutions/services targeting IBM i, such as API linkage, cloud, and SaaS for B2B transactions, has added a new strategy of global first. Based on the realizations and personal connections gained at Common Europe held in Prague in June this year, we will accelerate overseas expansion. Mr. Kohei Shimono, who leads the sales side as COO, and Mr. Takeshi Suda, who supports the technology side as CTO, talk about OmniScience’s global first strategy.
Participated in Common Europe in Prague for the first time
Established a foothold for overseas strategy
i Magazine (i Mag) Omniscience participated in the “Common Europe Congress 2023” held in Prague, the capital of the Czech Republic, for four days from June 11th to 14th.
菅田 はい、そうです。COMMONはユーザー、ビジネスパートナー、IBMが一堂に会するコミュニティで、そのイベントが毎年、米国と欧州のそれぞれで開催されています。日本でいうと、IBMユーザー研究会のイベントであったiSUCやNEXTに似ていますね。COMMON自体はコミュニティとして、米国をはじめ欧州の各国で運営され、Common Europe Congressが毎年異なる国で開催されています。今年の開催地はプラハでした。IBM iや関連ソリューションにフォーカスしながら、ITに関する情報を交換するさまざまな機会が提供されています。
菅田 丈士氏
下野 オムニサイエンスがCommon Europe Congressに参加するのは、今回が初めてです。「世界を目指す」「海外で通用する製品を開発する」という理念は、早い時期から掲げてきた当社の戦略の柱であり、私個人の目標でもありました。ここ1〜2年、海外のイベントに当社製品を出展したいという思いがありましたが、今回、グローバルのIBMエグゼクティブの皆さんが背中を押してくれたこともあり、Common Europeへの参加を決めました。
i Mag お二人とも展示会場で説明したり、講演に登壇したりで、忙しく過ごされたようですね。
下野 菅田と私とで、それぞれに講演を担当しました。私はIBM iのクラウドサービスであるIBM Power Virtual Server(以下、Power Virtual Server)やAPIの動向、ChatGPTの普及状況などのトピックスを交えながら、日本のIBM iトレンドについて説明しました。また菅田はIBM i向けのAPIツールである「API-Bridge」、および当社が新しくリリースしたIBM i ユーザー向けのB2Bプラットフォームである「NextB2B」などを紹介しました。講演にも展示会場にも欧州各国、そして米国から大勢の方々が訪れ、海外のお客様やパートナーの方々のビジネス感覚をダイレクトに感じられて、とても充実した時間を過ごせました。
菅田 海外のIBM i技術者のAPIに対する認知の高さを感じましたね。たとえばAPI-Bridgeについて説明していても、日本ではAPIの基本的な仕組みをお話ししてから、ツールの説明に入ることが多いのですが、Common Europeでは多くの方々がAPIをすでに理解しているように思えました。統合Webサービス・サーバー(IWS)の使い勝手を理解したうえでAPI-Bridgeと比較したり、「このユーザー・インターフェースがよくできているね」といった機能性に関するコメントももらえました。ただしスキルレベルは高いのですが、どちらかというと一からコーディングして実装しているケースが多いようで、まだ使いやすいツールがなく、十分にAPI-Bridgeが浸透するチャンスも感じました。
下野 私は情報収集の意欲、そして課題意識の高さを感じました。自分たちの課題をきちんと理解していて、それに対する明確な解決策を熱心に求めているような印象です。3日間ぶっ続けで、IBM iのワークショップや講義に参加している技術者が多数でした。国も年齢層も職種も多様で、皆とてもオープンに話すし、フットワークも軽い。予想していたよりも、ずっとよい反応を得られました。いろいろな人たちとコミュニケーションすることで、海外のIBM i市場について、「人ベース」でイメージできるようになりました。より具体的に人脈、コネクションを築けたことが最大の収穫でしたね。私たちの海外戦略の最初の足がかりが築けたという意味でも、とても貴重な機会となりました。
下野 皓平氏
クラウドとモダナイゼーションの両軸で
事業展開を描く
i Mag オムニサイエンスは今、どのような事業展開をしているのですか。
下野 当社の事業展開は大きく2つに分かれています。1つは技術者派遣サービス、もう1つはソリューションの開発・販売です。どちらもIBM iが重要なビジネス基盤です。ソリューションについてはさらに、「IBM iクラウドサービス事業」と「IBM iモダナイゼーション事業」の2つに分けています。私はCOOとして営業的な視点から、菅田はCTOとしてテクニカルな視点から、それぞれにカバーしています。
菅田 IBM iクラウドサービス事業の柱になっているのが、Power Virtual Serverへの移行支援、構築・運用保守から請求代行までを総合的に支援するサービス「PVS One」です。それにIBM iの基幹データを多彩なサービスへAPI連携するためのツールとして、「API-Bridge」を提供しています。またIBM iモダナイゼーション事業に関しては、IBM i ユーザー向けデータ抽出・加工・配布の自動化ツールである「PHPQUERY」や、もともとIBMが提供していたアプリケーションフレームワークである「XML-Bridge」、IBM i上のPHP実行環境を提供するミドルウェア「Zend Server」などがあります。今年7月には、IBM i ユーザー向けのB2Bプラットフォームである「NextB2B」もリリースしました。
i Mag オムニサイエンスはコーポレートビジョンとして、「Legacy with DX」を打ち出していますね。
下野 そのとおりです。IBM iユーザーに寄り添い、レガシー資産を大切に継承しながら、DXを推進するという意味を込めています。Legacy with DXでは具体的に、3つのコンセプトを掲げています。 
1つ目は、IBM i技術者の既存スキルの活用です。DXですぐに成果を出すには、新たなスキルを修得する必要のないことが重要です。これを具体的に支援するのが、PHPQUERYやNextB2Bです。
2つ目は、IBM i技術者の時間づくりです。DX推進が重要なテーマだとしても、時間がなければ、結局は取り組めません。だから、煩雑な運用管理業務をできるだけ解消して、DX関連の業務に集中できるようにする。これはPVS Oneがカバーします。定期的に実施するハードウェアやOSのリプレースプロジェクトも多くの時間を必要としますが、クラウドサービスであれば、こうした煩雑な作業を不要にして、本来の業務に集中できるようになるでしょう。
そして3つ目が、IBM i 技術者のコラボレーション力の強化です。API-Bridgeであれば、IBM iをまったく知らない技術者でも、IBM iの資産を活かしたシステム開発に巻き込めるようになる。それが最大の価値です。フロントエンドを担当するオープン系の技術者と基幹システムを担当するIBM iの技術者がそれぞれのスキルを活かしながら、企業が求める新しいシステム構築に向け、一体となって進んでいけます。基幹システムもフロントエンドもWebアプリケーションも、何もかも理解している1人のスーパーマンがいないとDXが進まない、といった状況を解決できます。
菅田 私は長く、IBM iに携わってきましたが、今こそIBM iが求められる時代になったと強く感じています。ビジネスの成長にはITの積極的な活用が効果的ですが、人的リソースに余裕がないと、そもそもチャレンジすること自体が難しいのではないでしょうか。IBM iであれば、事業の骨格となる基幹業務を安定して運用しつつ、新しいことにもチャレンジできる環境を作ることが可能で、多彩なIT活用が求められる現在に最適なプラットフォームだと考えています。
「オープンではないIBM iからは撤退すべき」との声も聞かれますが、IBM iではPythonやNode.js、PHP、Javaなど広く利用されているオープン系言語が稼働し、アーキテクチャとして十分なオープン性を備えています。むしろ、旧来の仕組みもそのまま活用できて、最新のオープン系言語にも対応しているので、極めてオープン性の高いプラットフォームと言えます。
それにも関わらずIBM iから撤退すれば、ビジネスの継続に欠かせない資産継承性や堅牢性、信頼性も失うことになります。表面的なオープン性を手に入れるという理由だけで、こうした貴重な財産を手放してしまうのは、なんとも残念に思います。IBM i を利用しているからこそ得られるメリットを、最大限活用いただけるような支援をしたい。そうした思いを、Legacy with DXというビジョンに込めています。
グローバルファーストで
営業アプローチを強化
i Mag 今後に向けては、具体的にどのような施策を推進していく予定ですか。
下野 3つの施策を考えています。まずグローバルファーストの確立、次に国内外に向けたマーケティング活動の充実、そして生成系AIによる生産性の向上です。
今回のCommon Europeへの参加により、グローバルファーストの必要性をあらためて確信しました。そこで今後の海外展開を意識しながら、グローバルファーストの準備を着々と進めていく予定です。
当社の製品は内部的・技術的には、どこの国でもお使いいただける環境が整っていますが、セールスの面では海外市場への対応が不足気味です。たとえばデモ素材を海外市場向けに英語で用意するとか、海外ユーザーが簡単にアクセスできるようなトライアル環境を用意するなど、いろいろと考えられます。またCommon Europeで得た人的なつながりを大切にして、海外のパートナー基盤を作り上げていくことも重要です。
菅田 IBM iでの開発言語は世界共通ですが、多国籍向けのセールスプロモーションの在り方が、今後の大きなテーマになるでしょう。そうした観点で、国内・海外の双方の市場に向けて、自社製品の認知度を高めるマーケティング活動にも注力していきます。
それから生成系AIにも力を入れます。ツールや製品に生成系AIを組み込むことも検討していますが、合わせて、自社の営業・開発のあらゆる面で、生成系AIを利用して、いかに業務の生産性を高められるかも考えています。だから当面は、個々人がChatGTPなど生成系AIのツールを多様な場面で利用し、生産性のある使い方を極めていくつもりです。
そして何より、お客様がクリティカルな課題を認識し、当社がそれに向けて解決策をご提案し、うまく軌道に乗った先で見えてきた別の課題を共有し、またその解決策を追求していくというサイクルを創り出すことが重要です。お客様と当社が両輪で成長していけるようなポジティブなサイクルを、技術的な観点から描いていきたいと考えています。
下野 今回のCommon Europeではいろいろな気づきを得て、海外戦略の最初の足がかりを築くことができました。その気づきを活かしながら、準備万端に体制を整えて、来年は米国のCOMMONに参加する予定です。オムニサイエンスの本格的な海外戦略は、そこがスタートラインであると考えています。来年は「世界は意外に近かった」と言えるように、全力で取り組んでいくつもりです。
・・・・・・・・
Kohei Shimono Director and COO OmniScience Inc.
Joined IBM Japan in 2010. He has experience in sales and business development in financial business, Chubu branch office and IBM i management department. In 2020, he joined OmniScience and assumed his current position in June of the same year.
Mr. Takeshi Suda Director and CTO, OmniScience Inc.
Joined IBM Japan in 2008. He worked on IBM i design, build and migration projects in the GTS delivery department. Since 2014, he has been in charge of technical support for Power Systems and IBM i proposal activities in the technical sales department. In 2022, he joined OmniScience and assumed his current position in May of the same year.

Omni Science Co., Ltd. Headquarters: Minato-ku, Tokyo
Established: 2005
Capital: 30 million yen (April 2022)
https://www.omni-s.co.jp/
(Photographed by Kazuo Hiroji)
[Published in i Magazine 2023 Summer (August 2023)] Read More 

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