Participation in Common Europe kicks off full-fledged global first strategy|Kohei Shimono, Takeshi Suda Omniscience Co., Ltd. ~The new leaders of IBM i❾ アイマガジン

​Kohei Shimono
Director and COO OmniScience Co., Ltd.
Takeshi Suda
Director and CTO, OmniScience Co., Ltd.

OmniScience, which is attracting attention for its latest tools and solutions/services targeting IBM i, such as API linkage, cloud, and SaaS for B2B transactions, has added a new strategy of global first. Based on the realizations and personal connections gained at Common Europe held in Prague in June this year, we will accelerate overseas expansion. Mr. Kohei Shimono, who leads the sales side as COO, and Mr. Takeshi Suda, who supports the technology side as CTO, talk about OmniScience’s global first strategy.
Participated in Common Europe in Prague for the first time
Established a foothold for overseas strategy
i Magazine (i Mag) Omniscience participated in the “Common Europe Congress 2023” held in Prague, the capital of the Czech Republic, for four days from June 11th to 14th.
菅田 はい、そうです。COMMONはユーザー、ビジネスパートナー、IBMが一堂に会するコミュニティで、そのイベントが毎年、米国と欧州のそれぞれで開催されています。日本でいうと、IBMユーザー研究会のイベントであったiSUCやNEXTに似ていますね。COMMON自体はコミュニティとして、米国をはじめ欧州の各国で運営され、Common Europe Congressが毎年異なる国で開催されています。今年の開催地はプラハでした。IBM iや関連ソリューションにフォーカスしながら、ITに関する情報を交換するさまざまな機会が提供されています。
菅田 丈士氏
下野 オムニサイエンスがCommon Europe Congressに参加するのは、今回が初めてです。「世界を目指す」「海外で通用する製品を開発する」という理念は、早い時期から掲げてきた当社の戦略の柱であり、私個人の目標でもありました。ここ1〜2年、海外のイベントに当社製品を出展したいという思いがありましたが、今回、グローバルのIBMエグゼクティブの皆さんが背中を押してくれたこともあり、Common Europeへの参加を決めました。
i Mag お二人とも展示会場で説明したり、講演に登壇したりで、忙しく過ごされたようですね。
下野 菅田と私とで、それぞれに講演を担当しました。私はIBM iのクラウドサービスであるIBM Power Virtual Server(以下、Power Virtual Server)やAPIの動向、ChatGPTの普及状況などのトピックスを交えながら、日本のIBM iトレンドについて説明しました。また菅田はIBM i向けのAPIツールである「API-Bridge」、および当社が新しくリリースしたIBM i ユーザー向けのB2Bプラットフォームである「NextB2B」などを紹介しました。講演にも展示会場にも欧州各国、そして米国から大勢の方々が訪れ、海外のお客様やパートナーの方々のビジネス感覚をダイレクトに感じられて、とても充実した時間を過ごせました。
菅田 海外のIBM i技術者のAPIに対する認知の高さを感じましたね。たとえばAPI-Bridgeについて説明していても、日本ではAPIの基本的な仕組みをお話ししてから、ツールの説明に入ることが多いのですが、Common Europeでは多くの方々がAPIをすでに理解しているように思えました。統合Webサービス・サーバー(IWS)の使い勝手を理解したうえでAPI-Bridgeと比較したり、「このユーザー・インターフェースがよくできているね」といった機能性に関するコメントももらえました。ただしスキルレベルは高いのですが、どちらかというと一からコーディングして実装しているケースが多いようで、まだ使いやすいツールがなく、十分にAPI-Bridgeが浸透するチャンスも感じました。
下野 私は情報収集の意欲、そして課題意識の高さを感じました。自分たちの課題をきちんと理解していて、それに対する明確な解決策を熱心に求めているような印象です。3日間ぶっ続けで、IBM iのワークショップや講義に参加している技術者が多数でした。国も年齢層も職種も多様で、皆とてもオープンに話すし、フットワークも軽い。予想していたよりも、ずっとよい反応を得られました。いろいろな人たちとコミュニケーションすることで、海外のIBM i市場について、「人ベース」でイメージできるようになりました。より具体的に人脈、コネクションを築けたことが最大の収穫でしたね。私たちの海外戦略の最初の足がかりが築けたという意味でも、とても貴重な機会となりました。
下野 皓平氏
クラウドとモダナイゼーションの両軸で
事業展開を描く
i Mag オムニサイエンスは今、どのような事業展開をしているのですか。
下野 当社の事業展開は大きく2つに分かれています。1つは技術者派遣サービス、もう1つはソリューションの開発・販売です。どちらもIBM iが重要なビジネス基盤です。ソリューションについてはさらに、「IBM iクラウドサービス事業」と「IBM iモダナイゼーション事業」の2つに分けています。私はCOOとして営業的な視点から、菅田はCTOとしてテクニカルな視点から、それぞれにカバーしています。
菅田 IBM iクラウドサービス事業の柱になっているのが、Power Virtual Serverへの移行支援、構築・運用保守から請求代行までを総合的に支援するサービス「PVS One」です。それにIBM iの基幹データを多彩なサービスへAPI連携するためのツールとして、「API-Bridge」を提供しています。またIBM iモダナイゼーション事業に関しては、IBM i ユーザー向けデータ抽出・加工・配布の自動化ツールである「PHPQUERY」や、もともとIBMが提供していたアプリケーションフレームワークである「XML-Bridge」、IBM i上のPHP実行環境を提供するミドルウェア「Zend Server」などがあります。今年7月には、IBM i ユーザー向けのB2Bプラットフォームである「NextB2B」もリリースしました。
i Mag オムニサイエンスはコーポレートビジョンとして、「Legacy with DX」を打ち出していますね。
下野 そのとおりです。IBM iユーザーに寄り添い、レガシー資産を大切に継承しながら、DXを推進するという意味を込めています。Legacy with DXでは具体的に、3つのコンセプトを掲げています。 
1つ目は、IBM i技術者の既存スキルの活用です。DXですぐに成果を出すには、新たなスキルを修得する必要のないことが重要です。これを具体的に支援するのが、PHPQUERYやNextB2Bです。
2つ目は、IBM i技術者の時間づくりです。DX推進が重要なテーマだとしても、時間がなければ、結局は取り組めません。だから、煩雑な運用管理業務をできるだけ解消して、DX関連の業務に集中できるようにする。これはPVS Oneがカバーします。定期的に実施するハードウェアやOSのリプレースプロジェクトも多くの時間を必要としますが、クラウドサービスであれば、こうした煩雑な作業を不要にして、本来の業務に集中できるようになるでしょう。
そして3つ目が、IBM i 技術者のコラボレーション力の強化です。API-Bridgeであれば、IBM iをまったく知らない技術者でも、IBM iの資産を活かしたシステム開発に巻き込めるようになる。それが最大の価値です。フロントエンドを担当するオープン系の技術者と基幹システムを担当するIBM iの技術者がそれぞれのスキルを活かしながら、企業が求める新しいシステム構築に向け、一体となって進んでいけます。基幹システムもフロントエンドもWebアプリケーションも、何もかも理解している1人のスーパーマンがいないとDXが進まない、といった状況を解決できます。
菅田 私は長く、IBM iに携わってきましたが、今こそIBM iが求められる時代になったと強く感じています。ビジネスの成長にはITの積極的な活用が効果的ですが、人的リソースに余裕がないと、そもそもチャレンジすること自体が難しいのではないでしょうか。IBM iであれば、事業の骨格となる基幹業務を安定して運用しつつ、新しいことにもチャレンジできる環境を作ることが可能で、多彩なIT活用が求められる現在に最適なプラットフォームだと考えています。
「オープンではないIBM iからは撤退すべき」との声も聞かれますが、IBM iではPythonやNode.js、PHP、Javaなど広く利用されているオープン系言語が稼働し、アーキテクチャとして十分なオープン性を備えています。むしろ、旧来の仕組みもそのまま活用できて、最新のオープン系言語にも対応しているので、極めてオープン性の高いプラットフォームと言えます。
それにも関わらずIBM iから撤退すれば、ビジネスの継続に欠かせない資産継承性や堅牢性、信頼性も失うことになります。表面的なオープン性を手に入れるという理由だけで、こうした貴重な財産を手放してしまうのは、なんとも残念に思います。IBM i を利用しているからこそ得られるメリットを、最大限活用いただけるような支援をしたい。そうした思いを、Legacy with DXというビジョンに込めています。
グローバルファーストで
営業アプローチを強化
i Mag 今後に向けては、具体的にどのような施策を推進していく予定ですか。
下野 3つの施策を考えています。まずグローバルファーストの確立、次に国内外に向けたマーケティング活動の充実、そして生成系AIによる生産性の向上です。
今回のCommon Europeへの参加により、グローバルファーストの必要性をあらためて確信しました。そこで今後の海外展開を意識しながら、グローバルファーストの準備を着々と進めていく予定です。
当社の製品は内部的・技術的には、どこの国でもお使いいただける環境が整っていますが、セールスの面では海外市場への対応が不足気味です。たとえばデモ素材を海外市場向けに英語で用意するとか、海外ユーザーが簡単にアクセスできるようなトライアル環境を用意するなど、いろいろと考えられます。またCommon Europeで得た人的なつながりを大切にして、海外のパートナー基盤を作り上げていくことも重要です。
菅田 IBM iでの開発言語は世界共通ですが、多国籍向けのセールスプロモーションの在り方が、今後の大きなテーマになるでしょう。そうした観点で、国内・海外の双方の市場に向けて、自社製品の認知度を高めるマーケティング活動にも注力していきます。
それから生成系AIにも力を入れます。ツールや製品に生成系AIを組み込むことも検討していますが、合わせて、自社の営業・開発のあらゆる面で、生成系AIを利用して、いかに業務の生産性を高められるかも考えています。だから当面は、個々人がChatGTPなど生成系AIのツールを多様な場面で利用し、生産性のある使い方を極めていくつもりです。
そして何より、お客様がクリティカルな課題を認識し、当社がそれに向けて解決策をご提案し、うまく軌道に乗った先で見えてきた別の課題を共有し、またその解決策を追求していくというサイクルを創り出すことが重要です。お客様と当社が両輪で成長していけるようなポジティブなサイクルを、技術的な観点から描いていきたいと考えています。
下野 今回のCommon Europeではいろいろな気づきを得て、海外戦略の最初の足がかりを築くことができました。その気づきを活かしながら、準備万端に体制を整えて、来年は米国のCOMMONに参加する予定です。オムニサイエンスの本格的な海外戦略は、そこがスタートラインであると考えています。来年は「世界は意外に近かった」と言えるように、全力で取り組んでいくつもりです。
・・・・・・・・
Kohei Shimono Director and COO OmniScience Inc.
Joined IBM Japan in 2010. He has experience in sales and business development in financial business, Chubu branch office and IBM i management department. In 2020, he joined OmniScience and assumed his current position in June of the same year.
Mr. Takeshi Suda Director and CTO, OmniScience Inc.
Joined IBM Japan in 2008. He worked on IBM i design, build and migration projects in the GTS delivery department. Since 2014, he has been in charge of technical support for Power Systems and IBM i proposal activities in the technical sales department. In 2022, he joined OmniScience and assumed his current position in May of the same year.

Omni Science Co., Ltd. Headquarters: Minato-ku, Tokyo
Established: 2005
Capital: 30 million yen (April 2022)
https://www.omni-s.co.jp/
(Photographed by Kazuo Hiroji)
[Published in i Magazine 2023 Summer (August 2023)] Read More 

Verified by MonsterInsights